会長の言葉

あきた愛しやの郷づくり事業 会 長 菅原 三朗

 潟上市商工会では本年度地域を売り込み、活性化させる企画提案型事業として「あきた愛しやの郷づくり事業」に取り組んでいる。「あきた愛しや」という名称は、かつての「むらおこし事業」を通じて首都圏にいる人々に故郷を愛おしむ気持ちを抱いて貰いたいとの願いをこめて命名したものである。
 そこで当商工会では豊かな風土で採れる様々な農産物・特産品などの食資源と、郷土の偉人「石川理紀之助翁」(1848〜1915年)の農業振興や救荒策、更には「経済の言葉十四箇条」と言う文化資源を生かして、農商工連携による地域経済の振興を図っていこうと言うものである。
 事業では潟上市民をはじめ、当地を離れた人々に故郷の魅力を再認識していただくと共に、潟上市を愛おしいと思う気持ちを醸成してもらえるよう、石川翁についての知識を問う「石川理紀之助翁検定」と「ふるさと産品推奨事業」を実施し、観光振興と物産振興の両面で「地域力向上」を図っていくことを目的としている。
 「石川理紀之助翁検定」については、学識者を中心として翁の功績を小冊子、若しくはテキストとして作成し検定試験の基本教材として活用する。実施に当たっては主都圏ふるさと会・秋田県種苗交換会・地域住民学生等に呼びかける。特に市内の小中学生を検定の受験対象に想定しており、地元の歴史を学んで郷土を愛する心をはぐくんでほしいとの願いが込められている。
 検定は11月下旬に1泊2日の日程で行う 計画で、初日は石川翁が農業経営を実戦した「草木谷」などを巡ったあと、地元研究者が功績などを解説する。2日目にペーパーテストを実施し、合格者に「石川理紀之助伝承士」の認定証を交付する。
 「ふるさと産品推奨事業」では、潟上市の特産品(酒・漬物・佃煮等)と農産品(米・果樹等)を四季折々で組み合わせた「潟上市ふるさと便」を潟上ブランドとして県内外に広くPRして販路開拓支援の機会として実施していく。
 これらの事業を通じ、地元住民、県外在住者それぞれが地域を愛する思いを周辺にPR(伝承)してくれることで、全国に“潟上は愛しいところだなあ”というファンづくりが図られる。又個店では対応が困難な地域産品のセット販売に必要な流通システムを確立することが出来る。
 観光振興と物産振興の両輪によるPRを通じて、潟上市は「愛しやの郷」と思える故郷づくりと地域のブランド化による地域力の向上につながることが期待されている。


(参考)潟上市商工会ホームページ